βグルカンの効能や免疫作用について

βグルカンの効能

βグルカンは免疫活動を活性化してガンの予防作用や増殖抑制作用の効能があるキノコ類に含まれる栄養素です。アガリクス、メシマコブ、ハタケシメジ、鹿角霊芝、ハナビラタケなどのキノコにβグルカンが含まれます。βグルカンは免疫作用が強く、外部からの雑菌だけでなくガン細胞の対抗成分としての作用があります。薬として扱われないので、健康状態に問題がない人もβグルカンサプリメントは使うことができます。βグルカンの他にはαグルカンがあります。グルカンはブドウ糖が連なっているもので、接続の形で種類が分かれます。例えば、でんぷんやトレハロースはどちらもα型グルカンなのです。β-(1→3)-D-グルカンというタイプのβグルカンが免疫賦活作用やガンに対する予防効果、抑制効果が認められており、一般にβグルカンとはこの種類を指します。βグルカンは、キノコ由来のものだけでなくイースト菌やビール菌などパン酵母由来のものからも抽出が可能で、世界じゅうで積極的に研究が進められています。食品化学の分野では、水溶性植物繊維としてβグルカンを位置づけています。植物繊維のβグルカンは、大麦にたくさん入っています。1941年のアメリカで発見されたのがβグルカンの始まりでした。その後β-(1→3)-D-グルカンと名付けられ構造が解明されるまで、20年ほどかかりました。以後、1963年にガン細胞の縮小に効果があるとの研究発表がされ、数々のβグルカンに関する研究が発表されて解明が進んでいます。



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βグルカンの免疫作用

注射でβグルカン注入すると血流に乗って各臓器に達し、肝臓と脾臓に約数ヶ月間、留まることが研究測定でわかっています。βグルカンの分解酵素が体内にないので分解が終わるまで、体に留まるβグルカンは長期間作用し続けます。異物への抵抗や攻撃する免疫系統を担っている器官は肝臓や脾臓で、免疫系物質はここに多いです。肝臓や脾臓に分解されず残るβグルカンは免疫力がより強いと考えられます。体全体の免疫力をアップさせるβグルカンなので抗ガン効果も期待できます。マクロファージは異物に最初に応答するもので、免疫システムの一部をなしています。雑菌や死んだ細胞の残骸はマクロファージによって食べられます。マクロファージが食べたものの中に抗原が含まれていた場合、その情報はヘルパーＴ細胞に伝えられ免疫系が高められます。βグルカンはマクロファージを活性化させる効果があります。活性化されたマクロファージは異物を補食する能力や免疫情報物質を放出する動きが高まります。結果的に、ガン細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞が強化されるのです。ある実験によると、キノコ由来のβグルカンを与えたマウスが肺炎球菌への感染防御効果を示すなどの結果も報告されているようです。

化学療法におけるβグルカン

βグルカンはサプリメントに広く利用されています。βグルカンサプリメントにはカプセルや錠剤タイプなどがあります。βグルカンの効能ははガンがかなり進行し、再発も起きている人にも、よい効果をもたらします。βグルカンサプリメントは、服用が遅すぎるということはありません。つまり、ガン細胞への効果のほどは、予防だけではないのです。βグルカンは、進行中のガンを遅らせる効果や抗ガン剤の副作用の抑制、また、薬の効果を高める作用もあるようです。学術論文には、化学療法と併用して医療用のβグルカン製剤を用いることで、ガン腫瘍の抑制や延命がなされたという内容のものも報告されています。βグルカン製剤は注射製剤ですが、経口投与の栄養食品でもいいものであれば注射剤と同様の効果があるようです。βグルカンによってガンの痛みや治療時の副作用が小さくなるのなら、使わない手はありません。ガン細胞だけを攻撃する抗ガン剤があればいいのですが、現在の抗ガン剤は骨髄細胞もダメージを受けます。骨髄細胞が攻撃されたことで、免疫力が落ちるわけです。βグルカンで免疫系の細胞を活性化することで、抗ガン剤に対する免疫系細胞の抵抗力を高める効果があると考えられています。ガンの化学療法の副作用を最低限に留め、体の負担を減らしながら化学療法を継続する道がβグルカンによって開けるのです。